アウトバーンは初めて
ミュンヘン市内でレンタカーを借りてからようやく、アウトバーンに出ました。A8、アウトバーン8号線です。
偶数の路線は東西方向に走る道路だそうです。
この部分の制限速度が前方に見えています。その真下を通過すると、ナビの画面の制限速度表示もシンクロして120に変わります。
112Km/h。ここでは真ん中の走行車線はこのぐらいの速度で流れています。
天気も最高。ドイツの田舎の風景。日本と違って、イタリアのアウトストラーダ同様高速道路のすぐ脇は畑です。危なくないのかな?
日本に比べて建設コストはすごく安いはずです。
トラックは一番右の車線を行儀よく走っており、時々追い越しのために真ん中の走行車線に出てくる程度でマナーがいいです。
アウトバーンから見えるのはほぼ田舎ばかりです。自分が走った範囲では、ですけど。
速度制限が解除されると途端にトラック以外の車がスピードを上げます。160Km/h。真ん中の走行車線でこのぐらいのスピード。
前の車に追いついた時だけ左の追い越し車線に出て、追い越すとまたすぐに真ん中の走行車線に戻ります。
これ、自分より速い車に道を譲ってあげるというマナーの問題だけではなくて、そうしないと事故って死にます。
200Km/hや300Km/hで後ろから来る車にお釜を掘られる事を想像すると怖くて、日本でよく遭遇するマナーの悪い追い越し車線チンタラ走行ドライバーみたいには走れません。
日本で追い越し車線をチンタラ走り続ける車が多いのはマナーの問題に加えて、制限速度が必要以上に低いためだと思います。
日本でも私は追い越し車線で追い越しを完了させると左の車線に可能な限り戻りますし、追い越し車線にいても後ろから速い車が迫ってくると可能な限り左の車線に入ります。
175Km/h。普段、決して使うことのない速度領域なので、いかに走りやすいアウトバーンといえども少し緊張します。
このスピードだと左からバンバン抜かれます。
追い越し車線の分離帯側には全く余裕がありません。そこだけ見ると首都高速や阪神高速並です。「アウトバーンは道幅も広く」という情報が必ずしも正しいわけではないことが分かります。
どうしてこのままなのかな?余程直進性に優れた、スタビリティの高いクルマでないと恐ろしいです。
この幅の部分を300Km/hで走れるのは余程腕がいいか、頭がいかれてるかのどちらかかと思います。他にも車がいて、時々追い越し車線の車より100Km/h以上遅いスピードで追い越し車線にふらっと出てくるのですから。
下り坂になり、前方がクリアになったのでアクセルをべた踏みしてみました。
ルームミラーに移っている自分の口元を後で写真で見て少し驚きました。
かなり緊張しているのが分かります。大袈裟ですが半分死ぬ気で運転しています。
一応、ネット調べでは130Km/hを境にして事故時の保険が出にくいようです。
今回の車はトヨタ・アベンシス・ワゴン
アベンシスワゴンのスペックは
全長×全幅×全高 4.82m×1.81m×1.5m
車両重量 1470kg
最高出力 152ps
最大トルク/回転数 196(20)/3800n・m(kg・m)/rpm
結構大柄なボディに標準的な2Lガソリンエンジンを積んだ車です。
アクセルべた踏みでゆっくりとメーターが180Km/hまで上がった後は、まるでリミッターが日本車同様に効いているかのごとく、それ以上スピードは上がりませんでした。(実際にリミッターがかかっているのかも)
そのスピードのまま巡航する勇気もないので、走行車線に戻って、その後は150Km/hぐらいで巡航しました。
150Km/hぐらいで巡航するのが自分には一番ストレスも少なくいい感じで走れます。
私のアウトバーン考
途中、走行車線でスピードを上げている最中に、一番右の車線のトラックの列から一台のトラックが中央の車線に追い越しのために出てきたため、妻が大声で
「アブナーーーイっ!!!」と叫んだ時が一番危なかったです。
妻の声にビックリして。
一応ルームミラーと目視で後方確認をしていて左後方、追い越し車線に車が来ていないことを確認してスピードを上げて左の追い越し車線に出ようとしていた時でしたので。
私が思うにアウトバーンで事故が一番起きやすいのは、上のような状況で、後方確認をせず、左後方から速い車が迫っているときに、前方に急に出てきた車をブレーキによる回避ではなく、左の追い越し車線に急に入って、そこを後ろから200Km/h以上で来た車におかまを掘られる、というパターンではないかと。
きっと死ぬな、このパターン。
あるいは走行車線のまま急ブレーキの前にハンドルを切ってコントロールを失ってスピンしてゴロゴロと。
たぶん死ぬな、このパターン。
または、急ブレーキを踏んでそのままオカマを掘られる。
真っ直ぐ掘られなければ即スピン。
おそらく死ぬな、このパターンも。
なぜベンツが頑丈だったり、ポルシェのブレーキが強力に効くのかがよくわかります。BMWのハンドリングの良さも、アウディのクワトロシステムの安定性・安心感もみんなアウトバーンで高速走行するのには必要な性能だと身をもって感じます。
日本の道路事情ではそれらのドイツ車が持っているような性能は過剰な性能なのかもしれません。そこにコストを掛けて車両価格を上げるわけにはいかないでしょう。日本国内で走るのにはそれに適した装備や大きさがあると思います。
良い悪いではなく、日本車には日本車の役割、適性があり、ドイツ車にはドイツ車の役割、適性があるように思います。
それはあたかもチャールズ・ダーウィンが提唱していた適者生存や適性進化のようです。
田舎は続くよどこまでも
網が張られていますが何か動物でもいるのでしょうか?
そろそろA8から外れるのかな?